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ミステリの祭典

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フライプレイ! 監棺館殺人事件

作家 霞流一
出版日2014年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 kanamori
(2014/12/04 21:59登録)
売れないミステリ作家の神岡と担当編集者の里子は、別荘を訪ずれたマリーを誤って殺してしまう。いっそのこと、この平凡すぎる殺人を本格ミステリのガシェットで派手に飾って小説にしようと企てるが--------。

「探偵スルース」+「熱海殺人事件」とあるように、一幕モノの推理劇を思わせる構成になっている。
乱歩や横溝、ポーなどの古典探偵小説の見立てと密室殺人を巡って、4人の登場人物が推理を披露し、ロンド形式で犯人を指摘するなど、次から次へと事件の様相が反転していく展開が面白い。真相も結構シニカルです。
しかしながら、本書には根本的な疑問点があるように思える。
推理劇は”観客”がいて初めて成立するはずなのに、”役者”しかいないシーンでも演技をしているとしか思えない場面が散見されるのはどういうことだろう? これは読者向けのミスリードとしか考えられず、結果的にアンフェアな描写になっていると思う。

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