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ミステリの祭典

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よろず占い処 陰陽屋へようこそ
陰陽師 安倍祥明シリーズ

作家 天野頌子
出版日2007年09月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 メルカトル
(2014/09/18 21:43登録)
占い、失せ物探し、加持祈祷、霊障相談などを看板に掲げる、インチキ陰陽師が店主の陰陽屋。その店主こそ、元カリスマホストの眉目秀麗、腰まで届きそうな長髪の安陪祥明である。本作は彼と陰陽屋のアルバイトで、妖狐の中学生沢崎瞬太のコンビが活躍する、いわゆる日常の謎を扱った、極めて薄味のミステリだ。
ミステリと言っても、どちらかというとライトノベルの要素が強く、二人の人間関係のほうに重きを置いているので、若年層向けの軽い読み物となっているようだ。しかし、老若男女を問わず広く読まれているようだし、ドラマ化までされているわけで、世間的には思いのほか好意をもって受入れられている作品の模様である。一般読者にとってはディープな本格ミステリよりも、こういったライトで低刺激な物語のほうが喜ばれるのは確かなことだろう。
だが無論、本格ファンが読むべき作品ではない。私のような悪食ならば、話のタネに読んでみても良いかもしれないが、当然、強烈な印象は残らない。畢竟、本作はほのぼの系のごく軽量級ミステリだと考えられる。
それにしても、やはりミステリ読みから見ると、これだけシリーズが何作も上梓されているのは、首を傾げざるを得ない。これだけ人気を博しているにもかかわらず、私にはそれ程魅力は感じられなかった。ミステリ作家ならこんな書き方はしないだろうみたいな箇所が、いくつも散見されるのももどかしい。

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