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ミステリの祭典

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俳優強盗と嘘つき娘
アラン・グロフィールド

作家 リチャード・スターク
出版日1978年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2014/10/08 22:11登録)
強盗仲間のパーカーと組んだ大仕事でドジを踏み、背中に銃弾を受けたグロフィールドは、メキシコシティのホテルで療養していた。そこへ、彼の部屋に窓から若い娘が忍び込んで来くるや、続いて拳銃を持った三人組が乗り込んできた---------。

悪党パーカー・シリーズの名脇役・アラン・グロフィールドを主役にしたスピン・オフ作品、俳優強盗シリーズの1作目。
本書は「悪党パーカー/カジノ島壊滅作戦」の後日談となっており、その「カジノ島」のラストがそのまま今作のオープニングにつながっている。といっても2つのシリーズはかなり雰囲気が異なり、陰性のパーカーによるノワールなケイパーものの犯罪小説に対して、こちらは陽性で軽妙な巻き込まれ型冒険スリラーといえるでしょう。毎回女性との絡みがあり、グロフィールドはアルセーヌ・ルパンの現代版といったところ。
今回は、南米某国の独裁者暗殺計画に巻き込まれるというプロットで、監禁からの脱出や銃撃・活劇シーンがスリリングではあるものの、テーマの割にはコンパクトにまとまりすぎているのが少々物足りない感じがする。そのスマートさがウェストレイクのスタイルでもあるのですが。

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