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ミステリの祭典

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怪奇な屋敷

作家 ハーマン・ランドン
出版日2014年08月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 nukkam
(2014/09/16 16:31登録)
(ネタバレなしです) 1920年代から1930年代にかけて怪盗グレイファントムシリーズや侠賊ピカルーンシリーズで人気を博した米国人作家が1928年に発表したスリラーと本格派推理小説のジャンルミックスタイプの非シリーズ作品です。当時の米国ミステリー界はヴァン・ダインの本格派推理小説が人気急上昇中だったそうですが、ランドンはスリラーの方が得意分野だったのでしょう。密室殺人、怪奇な雰囲気、わけありげな容疑者たちと本格派推理小説好き(後年デビューとなるジョン・ディクスン・カーが好きな読者ならなおさら)がわくわくしそうなネタで満載ですが、謎の魅力よりも雰囲気づくりの方に力が入っています。第29章で探偵役が真相説明していますが読者に対して手掛かりをフェアに提示していなかったことが目だってしまっています。論創社版の巻末解説で「読んだ直後では本格派の評価を下すには至らなかった」と書いてあるのもごもっともで、本格派の部分には過度に期待しないで読んだ方がいいと思います。

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