三回殺して、さようなら レスター主任警部シリーズ |
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作家 | パスカル・レネ |
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出版日 | 1988年06月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | nukkam | |
(2014/09/08 18:57登録) (ネテバレなしです) フランスのパスカル・レネ(1942年生まれ)はいくつかの文学賞を受賞するほど純文学畑で有名な作家ですが1985年からミステリーを書くようになって世間を驚かせました。シリーズ主人公のロベール・レスター主任警部はアガサ・クリスティーの名探偵ミス・マープルの甥という設定で(残念ながらミス・マープルは故人扱いです)、さらに1985年発表のシリーズ第2作である本書では某クリスティー作品(ポワロシリーズです)の登場人物が主役級の役割を与えられています。とはいえ創元推理文庫版の巻末解説でも言及されているように「クリスティーのフランス版」を期待すると裏切られる内容で、皮肉や後味の悪さを感じさせる真相が用意されています。別にクリスティーを模倣したスタイルでなければ駄目とはいいませんが、本書を読む限りではわざわざクリスティー作品と関連させる必要性もあまりないように感じました。 |