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ミステリの祭典

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旧校舎は茜色の迷宮

作家 明利英司
出版日2014年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 名探偵ジャパン
(2017/07/16 16:34登録)
「現代を舞台にした青春ミステリ」なのに、確かにBLOWさんが書かれている通り、ちょっと古くさい……。
同じく指摘されていた、回想シーンの描き方も確かにその通りで(これは選評で島田荘司も指摘していました)、これは分かりづらい書き方でしたね。
作中の事件と、所々に出てくる都市伝説、UFO関連の話も別段有機的に繋がっているわけでもなく、どうして入れたんだ? と思ってしまいました(しかも投稿時のタイトルは、都市伝説方面をさらに推した『ビリーバーの賛歌』というものでした。これは改題もやむなしでしょう)。
事件そのものについても、密室や見立てといった不可能犯罪状況が発生しているわけでもないため、引きが足りません。その分、キャラクター自体に魅力があるかと言われたら、それも微妙です。加えて、最後のメイントリックも過去に例があるタイプの亜流、と何もかもが中途半端に終わってしまった感があり、新書二段組みで300ページ越えという分量を読み切るモチベーションを維持するのが大変でした(もっと短くまとめられたはず)。
マイナス面ばかり挙げてしまいましたが、若い作家が、エキセントリックなキャラクターやファンタジックな設定に頼らず「本格ミステリ」を書ききったのは十分に賞賛されるべきものです、文章、構成的なものも十分に改善出来る余地があるはず。今後の活躍に期待です。

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