home

ミステリの祭典

login
高慢と偏見、そして殺人

作家 P・D・ジェイムズ
出版日2012年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2014/08/31 23:53登録)
(ネタバレなしです) 2011年発表の本書がP・D・ジェイムズ(1920-2014)の最後の作品になりました。作者が90歳を過ぎての作品ということも驚きですが、内容がジェーン・オースティンの「高慢と偏見」(1813年)の続編であったことに驚かされました。「高慢と偏見」を読んでなくてもある程度の粗筋は作中で紹介されていますので問題はありませんが、やはり事前に読んでおいた方がどれだけジェイムズがオースティンの作風に近づいているかを楽しめたでしょう(私はオースティン作品を未読なのでできませんでした)。人物や舞台そして時代性の丁寧な描写はさすがですが、犯人が誰かという謎解きよりもある家族問題とその結末の方に重点を置いた物語になっています。これをミステリーと純文学の高度な融合と評価するか、どっちつかずの中途半端な作品と評価するか微妙です。ミステリーばかり読んでいる俗物の私にはミステリーとしては薄味な作品に映りましたが。

1レコード表示中です 書評