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ミステリの祭典

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ホーンテッド・キャンパス 桜の宵の満開の下
オカルト研シリーズ

作家 櫛木理宇
出版日2013年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2014/08/19 22:12登録)
シリーズ第3弾、連作短編集。前作と比べて質が落ちたとかいうわけでは決してない。本シリーズはホラーと青春物という一見ミスマッチな組み合わせが、ことのほか特に若年層に受けているのだろう。意外なヒットとなっているようだ。だが、やはり己の情緒不安定な精神状態を反映してか、前作よりも楽しめなかった。どこか物足りないのである。ホラーと青春が絶妙なバランスで配されているのだが、どちらも中途半端という意地悪な見方もできるわけで、要するに飽きがきてしまいやすい質の作品なのかもしれない。
本作を読んで感じたのは、しっかりとした因果律が作品の底辺に根付いていることだ。それゆえ、物語は落ち着くべきところに落ち着くので、安心感を持って読み進められる。だが、一方では不安感をあおるべきホラーのあるべき姿とは若干異なる気もするわけである。怖さも程々、青春物としてもそれなり、いかにも一般読者受けしそうな作品であるのは間違いないし、良心的であるとも言えるだろう。
それにしても、相変わらず表層のみの書評で、本質を鋭くえぐるには程遠いねえ。我ながら情けないが仕方あるまい。

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