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ミステリの祭典

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苦くて甘い心臓
西連寺剛シリーズ

作家 都筑道夫
出版日1981年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2020/05/13 22:55登録)
西連寺剛シリーズ短編5編を収録。
表題作は集中最もパズラー寄りの作品と言えるでしょう。押し入れの中の死体消失という、ハウとホワイ両面の謎が提示されます。ハウの方はどうということもありませんでしたが、伏線はしっかり張ってありました。なお、タイトルはバレンタイン・デーのチョコレートのこと。
次の『天竺ねずみ』は、失踪人探しから始まり、やくざも登場するいかにもハードボイルドらしい作品。尾行シーンで始まる『黒南風(くろはえ)の坂』は不思議な雰囲気があり、真相をはっきりさせないところがかえって好ましい印象を与えます。『人形の身代金』の内容はタイトルどおりですが、誘拐(?)犯が殺されて、という展開になります。犯人の設定が今ひとつな気もします。最後の『見えない猫』は人情味を利かせたという点では一番ですが、タイトルの意味がなんだかねえという感じでした。

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