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ミステリの祭典

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憑かれた女
由利・三津木シリーズ

作家 横溝正史
出版日1977年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 谷山
(2014/08/16 21:33登録)
表題作の「憑かれた女」他、「首吊船」、「幽霊騎手」の全3編を収録。

「憑かれた女」
バラバラな人体のパーツの幻影に悩まされる風俗嬢のエマ子が怪事件に巻き込まれる話なのですが、その幻影の真相がかなり安っぽい気がしますが逆にこの時代だとハイテクで説得力があったのかも知れない。
そこ以外はよく出来た話だと思いました。しかし終盤登場した由利先生がやたらと「猟奇」という単語を連発するのに少しうんざり。

「首吊船」
80ページほどの分量しかないこともあって、あまり重要ではない脇役の活躍の後すぐ真相という構成で、正直あまり出来のいい作品とは思えなかった。ただ結末はかなり印象的なのでそれで救われてます。

「幽霊騎手」
由利先生も三津木俊助も登場しませんが、この本の中で一番面白い作品でした。読者は事件の真相と真の幽霊騎手は誰かという2つの謎を推理しながら読むことになるのですが、どちらの謎もなるほどとしっくりくるもので、非常に楽しめました。知名度はほとんどない作品ですが、実は隠れた名作と言えるのではないでしょうか。やたらと死人が出るのですが、主人公が陽性のキャラなのであまり暗くならないのもいいです。
ただ一箇所入れ替わりの部分に納得のいかない部分があり、そこだけは残念でした。長年生活をともにした家族が入れ替わったのに気づかないのはさすがに無理があるかと。

「憑かれた女」6点、「首吊船」3点、「幽霊騎手」9点で全体では6点にしたいと思います。

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