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ミステリの祭典

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ともだち

作家 樋口有介
出版日1999年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 makomako
(2014/07/27 08:50登録)
 登場人物それぞれのキャラクターは立っているのだが、もうひとつインパクトが少ない。助平な剣豪爺さん、恐ろしく強い女子高生、絵の天才男子高生、ちゃらちゃらだが実は財閥のお嬢様などなどサービス満点、しかも意外な展開で終了と読んでいて面白いはずなのだが、どうもいまいちピンと来ない。
 作者は人物をそれとなくしかも巧みに描く名手と思っているが、本作品の登場人物はどうもうまく絡んでいない。剣豪女子高生のさやかだけが際立って目立ったいるように感じます。しかも強すぎ。ここまで強いと漫画チックに思えてしまいます。
 樋口氏は「どうせ」という言葉をよく使います。ことにこの作品にはこの「どうせ」が多い。主人公が中年のシリーズでは極めて良い効果があるのですが、高校生が主体の作品にこれ程「どうせ」がでてくるとえらく虚無的になってしまい、若者たちのキャラとマッチしなくなってしまう。
 文句を色々つけましたが読んで不快な作品ではなくまずまずの出来なのです。ただファンとしては作者にはもっと素敵な作品が書けるに違いない。期待しているのです。

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