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ミステリの祭典

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渇きの街

作家 北方謙三
出版日1984年03月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2014/07/26 18:59登録)
1985年度の日本推理作家協会賞受賞作(皆川博子『壁・旅芝居殺人事件』と同時受賞)で、作者自身は受賞の言葉の中で「クライム・ノヴェル、青春小説として書いたものだ」と述べています。
確かに青春小説系ではあるのですが、あまりクライム・ノヴェルらしくありませんでした。殺人を犯しても、刑期が「五年ってとこ」と警察官が言うような状況であっては、犯罪性が薄いと思うのです。その意味では、暴力は満載であるもののミステリ度は低い作品です。北方謙三は初めて読んだのですが、こういうハードボイルドもあるのかな、という感じでした。作者の簡潔な、体言止めを多用する文体にしても、たとえば高城高がヘミングウェイから学んだという意味でのハードボイルド文体とは違うと思います。
しかし当然ジャンル云々で小説の出来が決まるわけではなく、主人公高志の描き方、最後のまとめ方など、さすがに良くできていました。

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