home

ミステリの祭典

login
人事課長殺し
課長代理・深水文明

作家 中町信
出版日1993年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2022/08/15 23:15登録)
(ネタバレなしです) 1993年発表の深水文明シリーズ第4作の本格派推理小説で、同じ会社で殺人事件が3度も続いたのをさすがに不自然と考えたのか今回は社外殺人です(殺される人事課長も深水と別会社の人間です)。深水の推理に対して容疑者たちが自分の無実を訴えるために反論推理をぶつけてくるところが本書の読みどころで、無条件には鵜呑みにできないものの深水の推理は軌道修正を迫られます。この作者ならではのどんでん返しの謎解きが用意されていますが決め手となる証拠の提示がほとんどなく、ダイイングメッセージの謎も含めて一つの解釈に過ぎない程度の説得力しか感じられませんでした。最終章での深水の「もう一度やり直したい」失敗は果たしてどうなるのか気になるところではありますが、本書がシリーズ最終作となったのでそれも確認できません。

1レコード表示中です 書評