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ミステリの祭典

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消えずの行灯 本所七不思議捕物帖

作家 誉田龍一
出版日2007年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2014/07/18 10:01登録)
江戸時代物連作短編集。タイトルどおり、7編収録。
主人公はワトスン役の仁杉潤之助と、ホームズ役の榎本釜次郎。二人は御家人の子息で、蘭学を学ぶ学生の身分。
さらに、腕の立つ今井や、噺家の次郎吉たちも素人捜査に加わる。その他、同心や潤之助の姉は謎解きの準レギュラーメンバーとして登場する。

事件はおもに殺しだが、たいした謎解きはない。ただ、科学的なからくりが多く、アイデアとしては評価できる。表題作は小説推理新人賞を受賞している。殺しを扱ってはいるが、江戸物らしいほのぼのさがあり、その事件とのアンマッチ感も魅力である。
潤之助を除く常連メンバーもゲスト陣も、実在の人物であることが途中で明かされ、最後にはその後のことも紹介される。そこは面白いところ。時代物なら実在の人物でも好きなことを書けるので、おそらく時代作家さんたちは、想像をふくらませて楽しみながら書いているのでしょう。

個人的には、こういう連作短編はパターン化されていて飽きがくるので、たまにしか読みたいとは思いませんが、一般的には喜ばれるのではと思います。まずまずの作品集といえるのでは。

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