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ミステリの祭典

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ミス・ヒルデガード・ウィザーズの事件簿
「翻訳道楽」編

作家 スチュアート・パーマー
出版日不明
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2014/07/27 18:14登録)
「被告人、ウィザーズ&マローン」の翻訳者でもある宮澤洋司さん主催の同人誌「翻訳道楽」から入手した、初翻訳作品5編の”短編集”。(ばら売り短編なので登録タイトルは当方でかってに仮題をつけました。ご了承ください)。

スラップスティック・コメディに近いユーモア・ミステリが持ち味という印象が強かったパーマーですが、(パイパー警部とのやり取りに多少見られるものの)ユーモアはそれほど前面に出てなくて、5編いずれもトリッキィで本格パズラー志向が強い作品が揃っていました。
個々に見ていくと、美術館での殺人と衆人環視下での聖盃消失という不可能犯罪を扱った「ぶら下がった真珠の謎」が個人的ベストで、ショー劇場内での射殺事件とアリバイトリックの「いたずらパリ娘の謎」が準ベストかな。
美術館、ミュージカル劇場、ドックショーの会場、サーカス劇場など、舞台装置が各作品でバラエティに富んでいるのも良い。
ミス・ウィザーズの短編は昔からEQMMやアンソロジーでかなり訳出されているものの、書籍化された短編集は出ていない。まずは”クイーンの定員”にも選ばれた第1短編集からでどうでしょうか>論創社さん。
なお、「翻訳道楽」は”おっさん”さんからご教示いただきました。ありがとうございました。

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