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ミステリの祭典

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ホーンテッド・キャンパス 幽霊たちとチョコレート
オカルト研シリーズ

作家 櫛木理宇
出版日2013年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2014/06/14 23:36登録)
最初に言っておきたいことがある。本の帯にAKB兼任、HKTの誰それの推薦文が載っていたから買ってみた、というほど私はミーハーではない。勿論、選抜総選挙も大島優子の卒業公演も最後までTVで観ていたのは言うまでもないが。
そんな事はどうでも良くて、本作であるが、そこそこ面白い。雪国の雪越大学オカルト研究会には様々な超自然現象や心霊体験が持ち込まれ、それを男女5人のメンバーが解決しようとするのが本筋である。そこに、主人公の森司の片思いが絡んできて、ほんわかとした雰囲気のいかにもなキャンパス・ライフが描かれていて好感が持てる。
第一作では、オカルト・ミステリと銘打たれているが、決してミステリではないので、必ずしも合理的な解決がなされるわけではない。本作はシリーズ第二弾で5篇の短編から構成された連作だが、どれも特にオカルト研のメンバーが大活躍して事件を解決するというものではなく、なんとなく相手の話を聞き、なんとなく流れで落ち着くところに落ち着く感じのゆるいホラーだ。だが、しっかりツボは抑えているので、結構怖いだろうと思われるシーンもある。私は一向に怖くなかったけれど。
季節は年末からバレンタイン辺りで、北国の冬の季節感がよく描かれていて、個人的には非常に好ましく思っている。
ただ、森司の片思いの相手でオカ研のメンバーでもある、こよみの出番が少なめなのがやや不満ではある。無論、これは彼女をより神秘的な存在にしておこうという、作者の企みなのかもしれないので、まあ仕方ないかなとは思う。噂によると、この二人の恋がなかなか発展しないのが歯がゆいという意見が多いようである。それもまたいいんじゃないかという気もするけどね。

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