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ミステリの祭典

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カタコンベ

作家 神山裕右
出版日2004年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 E-BANKER
(2014/05/26 23:05登録)
記念すべき第五十回(2004年)江戸川乱歩賞受賞作。
まさかこれが初めての書評とは・・・。あまり人気なかったのね。

~水没するまでのタイムリミットは約五時間あまり。それまでに洞窟に閉じ込められた調査隊を助け出さなければ・・・。「もう同じ過ちは繰り返さない」。強い決意を秘めたケイプダイバー・東馬亮は、単身救出に向かう。大きな闇に包まれた洞窟には、五年前の事件の真相と殺人犯が潜んでいた!~

どこかで見たような、読んだようなプロット・・・ていう気がした。
水没する洞窟からの脱出劇、ヒロインがまさに死の直前という段になって颯爽と救助に現れる主人公、刻々と残り時間が過ぎていくなか、さあどうする(?)というタイムリミットサスペンス・・・
そう、この展開はまさに劇場版「海猿」そのものだ。
(舞台設定が海か洞窟かという違いはあるが・・・)

サスペンスの中にフーダニットを取り込み、本格ミステリーっぽいつくりにしているのはマズマズ。
ただし、この真犯人ではあまりに紋切り型で、最後まで引っ張ったほどのインパクトには欠ける。
ダミーの犯人役についても、あまりに読者をミスリードしようという魂胆が見え見えなのが頂けないのだ。

作者は若干24歳、当時史上最年少で乱歩賞を受賞した俊英。
この年齢から勘案すれば、この水準のミステリーを書けること自体驚異的だが、やっぱり若書きという事実は如何ともしがたい。
三人称多視点という書き方も成功しているとは言えないかな。

まぁでもそれなりに楽しめるエンタメ小説には仕上がっている。
他の受賞作との比較では「中の上」程度の評価。
(「カタコンベ」=地下墓地。タイトルは言い得て妙。)

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