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ミステリの祭典

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被告側の証人

作家 A・E・W・メイスン
出版日2014年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2023/05/17 23:19登録)
『矢の家』が有名なメイスンの作品だからというので(初期)本格派の作品として読むと、1点しかつけられないでしょう。伏線と言えるほどのものはありませんし、殺人事件の真相はあまりにあっけないのです。巻末解説では、ミステリではあっても「探偵小説でもない」とされています。「探偵小説」の定義を、玄人、素人を問わず事件を捜査する探偵役が主人公の話とするなら、確かに探偵小説ではありません。中盤、インドでの裁判が終わった後の展開が意外で、被告人だったステラがどうなるのかのサスペンスはあるので、ジャンルはサスペンスにしたのですが、その他でもよかったかなと思えるほどです。
最後の方「第二十六章 見知らぬ二人」(お互いの気持ちを知らなかったという意味)に、「そのことを知ってさえいれば!」という文が出てきます。つまり、HIBK (Had-I-but- known) 派の作品とも言えると思います。

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