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ミステリの祭典

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夢魔殺人事件

作家 島田一男
出版日1998年01月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 kanamori
(2014/05/21 23:09登録)
昭和20年代の作品を中心にしたノン・シリーズの短編集。
巻末の初出誌一覧を見ると、「宝石」誌を除いて、あまり聞いたこともない掲載雑誌ばかりなので、たぶんに落穂拾い的な作品集かなと思いましたが、実際読んでみるとその通りでしたw

表題作の「夢魔殺人事件」は、天体観測のため伊豆沖の孤島に赴いた科学者が、毎夜見る不思議な夢の内容を東京の妻に伝える手紙文で構成されている。設定は面白いが、それがオチに充分活かされていない感じがする。
唯一の昭和30年代の作品「作並」が編中の個人的ベスト。鄙びた温泉宿を舞台に、盲目の女按摩師の執念が凄まじい。
そのほか、幻想的で奇妙な味タイプの「妖かしの川」と「朧夜の幻想」も印象に残った作品ですが、総体的に、男女関係絡みの割とありがちなクライム・ストーリーが多かったのが残念でした。

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