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ミステリの祭典

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彼女の倖せを祈れない
桑原銀次郎

作家 浦賀和宏
出版日2014年04月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 tider-tiger
(2022/06/05 23:09登録)
いいタイトルなんだけど、この作品に相応しいのかどうか。どうにもピンとこない。そして、なんという無駄な衝撃……。

桑原銀次郎シリーズの三作目。
一作目『彼女の血が溶けてゆく』は浦賀の色は弱いが、読みやすさと普通の意味での面白さがある浦賀入門に適した一冊だと思っている。
二作目の『彼女のために生まれた』は、無茶なことをやろうとしてやや失敗作の感もあるが、自分がもっとも好きな浦賀作品の一つである。
そして、本作はいかにも浦賀という作品である。話の転がし方、悪趣味。
世間的に浦賀の認知度を高めた『彼女は存在しない』を自分はあまり買っていない。そして、本作も正直なところそれほど好きではない。悪趣味なのは構わない。ただ、その悪趣味の具合が本作や『彼女は存在しない』では、やや陳腐に感じられてしまう。

浦賀作品は非常に理知的に書かれている。だからこそ思う。信頼できない語り手という手法があるが、浦賀作品はそもそも作者が信頼できない。若くしてデビューした作家にありがちな社会性の不足、変な思い込みによる浅い描写、そういったものがときおり顔を覗かせる。そこが浦賀独特の味わい、読者に与える居心地の悪さにもつながっているのかもしれない。稚拙であることがそれほど作品の傷にはならない場合もある。なんとも信頼させない書き手。

No.1 7点 kowai
(2014/05/05 17:18登録)
シリーズ3作目と、安心して読んだら裏切られました。でも、それを期待して買うので、オッケーです。

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