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ミステリの祭典

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西洋骨牌探偵術

作家 都筑道夫
出版日1975年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2015/08/23 12:27登録)
本書の西洋骨牌(かるた)とはタロットカードのことです。ただし、探偵役の鍬形修二は、タロットと呼ぶのは日本だけであり、英語ではタロウカードと読むので、自分もそう発音すると講釈しています。鍬形はそのタロウカードを使う占い師ですが、怠け者で、適当にそんな職業を名乗っているだけというのは、『七十五羽の烏』等の物部太郎にも通じるキャラクターです。
その占い師鍬形シリーズは、収録7編中最初の5編だけです。不可能興味もありますが、やはりWhy(犯行動機だけでなくなぜ小細工をしなければならなかったのかという謎)に重点を置いた論理派ミステリになっています。6編目の『二重底』を読み始めた時には、語りの手法を変えたのには何か企みがあるのかと勘ぐったのですが、何のことはない、シリーズ外というだけのことでした。最後の『空前絶後、意外な結末』も怠け者ユーモア・ミステリ。

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