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ミステリの祭典

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殺しのメッセージ
探偵姉妹トリオ・シリーズ

作家 梶龍雄
出版日1989年09月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 kanamori
(2016/04/20 18:58登録)
推理力に秀でた和服美人の長女・静江、スポーツ万能で行動派の次女・輝美、お色気と観察眼がウリの三女・艶美の、狭山家三姉妹が4つの事件に挑む「探偵姉妹トリオ」シリーズの第2短編集。

シリーズ前作「女名刺殺人事件」でも似たようなことを書きましたが、三姉妹をわかりやすく類型的にキャラクター分けをしてるにも拘らず、あまりキャラクター小説的な面白さが感じられません。同じ様な設定の赤川次郎「三姉妹探偵団」と比べると、そのリーダビリティの差は歴然としています。裏表紙の著者プロフィール欄には「女性像の描き方には特筆すべきものを持つ実力派作家」とありますが、少なくとも本書を始めとした後期作品に関しては、ちょっと異論がありますw
各編ともノベルズ版で60ページ前後の長めの短編といった分量ですが、本格ミステリとしても、その分量に見合った謎解きの濃さがなく、どの作品も、お約束のように濡れ場シーンが挿入されているなど、水増し感は否めません。強いてベストを選ぶとすれば、第1話「アダルトな殺人」になるのですが、仕掛けの部分の基本的アイデアが、海外有名古典作品からのイタダキという不満があります(作中でその作品名を挙げ、ネタバラシをしています)。最後の「おちた女」は、伏線や”気付き”の部分が面白いが、アンフェアと思える部分が気になった。

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