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ミステリの祭典

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青春の葬列

作家 笹沢左保
出版日1990年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2014/04/02 11:29登録)
表題から連想できるように、若者の自殺、心中がテーマとなっている。
主人公の現在と、他者の過去の死とがどうリンクするのか、そこらあたりが謎(ミステリー)となっている。
登場人物たちは世をはかなんで死を望むのではなく、意外にあっけらかんとしているが、かといって明るい話はなく、また湿っぽいというわけでもない。

収録作品は、「噴煙はわが位牌」「十字架にわが業火」「過去に見た終焉」「明日こそわが柩」「絶唱は海の彼方に」の5編。笹沢左保らしいネーミングである。
「明日こそわが柩」はラストにサプライズはないが、ミステリーらしい流れで、楽しめた。これがベスト。「噴煙はわが位牌」が次点。
短編集なので、こんなものかな、と思えばそれなりに満足できる。

20年ほど前に読んだときは、笹沢氏の短編ってすばらしいと思ったものだが、再読すると物足らなさを感じる。

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