home

ミステリの祭典

login
人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1)

作家 江戸川乱歩
出版日2008年05月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 E-BANKER
(2014/03/15 20:33登録)
角川ホラー文庫の江戸川乱歩ベストセレクションシリーズ第一弾で読了。
表題作のほか、作者を代表する珠玉の短編全8編で構成。

①「人間椅子」=実に乱歩らしい耽美でエロティックな世界観だが、ラストはミステリーらしいオチで終わる。よくまとまってるし、このプロットは他の作家でも手を変え品を変え登場するもの。良作。
②「目羅博士の不思議な犯罪」=これも乱歩らしい作品のひとつ。夜にこういう話を読んでると、何かモゾモゾした気分になってくる・・・
③「断崖」=男と女の会話だけで進められるストーリー&プロット。タイトルどおり、ラストはまるで二時間サスペンスのような展開になるのか?
④「妻に失恋した男」=何だか意味深なタイトルだが・・・。こういう男は悲しい・・・。
⑤「お勢登場」=これは再読。罠をかけた方が自らの罠にはまってしまうという悲しい結末。そしてそれを見て見ぬ振りをする妻・・・。④と同様、男って悲しい生き物。
⑥「二廃人」=これも再読。夢遊病者の犯罪というのがやはり乱歩という気がする。
⑦「鏡地獄」=“鏡”というのも乱歩の世界観にマッチした小道具だろう。鏡に嵌った男が、鏡に狂わされてしまう。
⑧「押絵と旅する男」=これも良作。乱歩の不条理な世界観とファンタジックな感覚が絶妙にマッチした作品だと思う。つい最近、「ビブリア古書堂4」を読んだことが、本作を手に取るきっかけとなったのだが、読んで正解。

以上8編。
このセレクションはかなりの高水準。
もちろん作品ごとに差はあるが、総じて水準以上の好編が並んでいる印象。
乱歩の世界観は、あまりにエログロに振れるとゲンナリするが、これくらいなら全く問題なし。

これなら乱歩好きにも乱歩嫌いにもお勧めできる。
(ベストは①か⑧。この2編は評判通りの作品。後もそれなりに面白い。)

1レコード表示中です 書評