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ミステリの祭典

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駅と、その町
別題『駅とその町』『魔性の町』

作家 眉村卓
出版日1989年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 ∠渉
(2014/03/13 21:52登録)
小学生の頃、青い鳥文庫の「ねらわれた学園」を読んで以来の眉村さんの作品でしたが、あの頃感じた眉村さんの作品のイメージとは違ってて、ある意味かなりSFを突き詰めているひとなんだなぁと感じた。
駅があって、町があって、人がいて、でも心なしか情緒がない不思議な町。町の変化とともに紡がれていく物語には町に棲む「魔性」がいろんな姿かたちを持って、時に大きなうねりを伴って現れる。風景が浮かびやすいし、語り口はフラットなんだけど、けっこう怖かったり、驚いたりさせられて、著者の持つ感覚の鋭さと感受性の強さを感じた。
ひとつひとつの物語は小粒ですが通して読むとけっこうなアッパーカットでやられました。面白い。
SFのようでホラーにもミステリにもなってるし、しかもそれを露骨に表出させないところが、あとをひくストーリィになってて、まだ頭の中でぐるぐる回ってます。

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