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ミステリの祭典

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不完全な死体
ギル・ハミルトン捜査官

作家 ラリー・ニーヴン
出版日1984年12月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 kanamori
(2014/03/16 16:46登録)
人類のノウンスペース(既知空域)が太陽系の小惑星帯まで拡がった近未来を時代背景としたSFミステリ集。”想像の腕”という超能力をもつ国連警察のギル・ハミルトン捜査官シリーズの3つの中編を収録。

先日読んだ長編の「パッチワーク・ガール」がまずまずの面白さだったが、本書のミステリの趣向部分は微妙な出来というしかない。
延命のための臓器移植が発達し、そのため死体が価値を持ち、臓器密売人組織が蔓延るという社会背景が重要な要素になっているのが3作品に共通していて、なかでは「不完全な死体」がその状況をトリックに巧く生かしているようにも思えるが、普通のミステリ読みなら簡単に真相を察してしまうかもしれません。
アシモフ編のSFミステリ・アンソロジーで既読だった「腕(アーム)」は、高層マンションの密室殺人を扱っていて本格ミステリ要素が強い作品。ただ、時間圧縮装置の理論が文系読者の身ではいまいち分かりずらいのが難点。

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