| 老婦人クラブ 名探偵エミールの冒険 |
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| 作家 | ジョルジュ・シムノン |
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| 出版日 | 1998年08月 |
| 平均点 | 6.50点 |
| 書評数 | 2人 |
| No.2 | 7点 | クリスティ再読 | |
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(2026/02/03 16:00登録) 読売新聞社での「О探偵事務所」第二弾。この本は連載後半が中心で3作収録。なかなか世界がこなれて来ていて、面白い作品が多い。 「むっつり医者と二つの大箱」 2冊の中でベストかな。傲慢で人嫌いの医者が老女を食い物にしている?という疑惑の調査を姪から依頼されたエミールたち。その老女は別荘で死体として発見。腕には注射の痕が点々と...医者の元から失踪した老女だが、しかし、その死体を医者は別荘に運ぶ機会がなかった! パズラー的な興味があったりする作品。素直に面白いし、この医者のキャラ造形がいいなあ。 「地下鉄の切符」 霧の朝、事務所を訪れた男は、血を吐いて倒れた...直前に銃で撃たれたようだ。トランスは「その黒人..」という言葉をその男の死に際で聞き取る。男のポケットには発砲の痕がある拳銃が。ツカミはオッケーな話。死んだ男に送り付けられた絵具に恐喝の匂いをエミールはかぎ取るが....結局もう一つかな。 「老婦人クラブ」 50歳以上の上流婦人だけが集う「老婦人クラブ」。でも依頼人の依頼は、そのメンバーの一人が男なのでは?という疑惑を調査せよというもの。パナマの元大統領夫人として、娘と共に社交界で活躍するその婦人だが、エミールが訪れたその家で出会った娘と、エミールは過去に因縁が...この元大統領夫人を名乗る男の狙いは? こんな話wアイデアが面白い。なかなか笑える真相でいいなあ。 だから全体的に明るめの話が多いのが好印象。確かにこれはメグレだとお話にしづらいネタが多いとも感じるよ。「チビ医者」の兄弟編で、アメリカンな軽ハードボイルドに寄せたシリーズといえば確かにそうだろうね。 |
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| No.1 | 6点 | 空 | |
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(2014/03/04 23:02登録) 赤毛のエミールが活躍するO(オー)探偵事務所の事件簿シリーズ第2巻には、3編が収録されています。 最初の『むっつり医者と二つの大箱』では、メグレもの常連のリュカ部長刑事がこのシリーズでは初登場して、司法警察での容疑者尋問という、それこそメグレものでは毎度おなじみのシーンも出てきます。この作品は、3編の中では最も正統的な謎解きパターンと言えるでしょう。真相はごく単純ですが、タイトルの医者のキャラクターが際立っています。 『地下鉄の切符』は探偵事務所を訪ねてきた男は既に瀕死の状態で、ダイイング・メッセージを残して死んでしまうという、期待を抱かせる発端ですが、解決は今ひとつでした。魅力的な発端と言えば、『老婦人クラブ』も奇妙な事件で、「犯人」は最初からわかっているホワイダニット系作品です。エミールが過去に会ったことのある人物が登場したりして、展開の意外性があり、なかなか楽しめました。 |
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