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ミステリの祭典

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死者の贈物
和南城夫妻シリーズ

作家 中町信
出版日1999年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2018/02/26 08:34登録)
(ネタバレなしです) 1999年発表の和南城夫妻シリーズ第3作の本格派推理小説です。殺されそうになった女性は一命を取りとめ、殺そうとした男性は自殺するという無理心中未遂らしき事件が発生します。どこか不自然感もあるものの他に有力な意見が出るわけでもなく一応解決したかと思われますが、その後も事件関係者たちが次々と殺されたり自殺のような死を遂げます。残った容疑者ももちろんですが死者も怪しい行動をとったりしているので謎は複雑化します。密室ありアリバイ崩しありダイイングメッセージありとこの作者らしいサービスぶりで、(ネタバレ防止のため詳細を書きませんが)珍しい手掛かりが印象に残りました。犯人当てとしては不満を抱く読者もいそうな設定ですが、その不満をできるだけ解消するような配慮をしているプロットです。犯人が証拠に気づきながらそれを隠滅せずに証拠に小細工を施すなどはいささかやり過ぎにも感じますが、まあそれも作者の過剰サービスでしょうか(笑)。タイトルの由来が終盤で明かされるのも効果的です。

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