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ミステリの祭典

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奥秩父狐火殺人事件
映画監督・五城シリーズ

作家 梶龍雄
出版日1986年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 kanamori
(2014/11/26 21:04登録)
次作映画の取材のため奥秩父の小村を訪れた五城は、山間で何者かに狙撃された江森道代を助ける。狐憑きの家系といわれる江森家と関わるうちに、26年前に道代の母親に起きた悪魔的事件を知り、やがて江森家の人々を標的とする連続殺人事件に対峙することに-------。

若手の映画監督・五城賀津雄を探偵役とするシリーズの一冊。
狐憑き信仰が蔓延る閉鎖的な寒村、過去の残虐な狐落し儀式の因縁、隠された血縁関係などなど、伝奇的舞台設定は(登場人物も言うとおり)横溝正史の作品世界を髣髴とさせるところがありますが、ピチピチの女子大生7人が江森家の離れに夏合宿で住み込んでいるという設定が、ああ、やっぱりカジタツ作品だったなと思い出させますw
冒頭のシーンを始めとして、あんなことが伏線だったのか!というぐらい多く張られた伏線の巧妙さはいつもどおりで、「反転図」と題された最終章での五城の謎解きはなかなかのものです。横溝的世界観そのものがミスディレクションになっているというか.....。
ただ、途中の展開がやや通俗的で、全体的にごちゃごちゃしている感は否めず、評価としてはこれぐらいになってしまう。

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