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ミステリの祭典

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ロスト・エンジェル・シティ
未来警察殺人課2

作家 都筑道夫
出版日1986年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 kanamori
(2014/07/10 20:26登録)
人類が太陽系第三惑星を脱出し新しい地球に移住して数十世紀、予防精神医療の発達により殺人は大幅に減少した。さらに潜在的殺人者は、テレパシストによって予め察知され、”おれ”こと星野が所属する警視庁”殺人課”によって密かに処分されることになっていた-------。

ハードボイルド風のSFミステリ連作、「未来警察殺人課」シリーズの第2弾。
各話とも細かなSFガシェットを色々と散りばめながら、アクションあり、謎解きあり、お色気シーンありで、読者サービスが盛りだくさんのエンタテインメント作品になっています。ロサンジェルス、モナコ、京都、ハワイなど、前の地球の名称に倣った都市が存在し、星野刑事が名所巡りをするトラベルミステリという感じも受けます。個々に見ていくと出来栄えが微妙なものもありますが、謎解きモノとしては「空白に賭ける」と「殺人ガイドKYOTO」の2編はラストのひねりが面白い。
ただ、展開が早くめまぐるしいのは短編だからやむを得ないのですが、説明不足で拙速に感じる部分があります。SF設定を十分に活かすうえでも長編版を読んでみたかった気がします。

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