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ミステリの祭典

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美濃路殺人悲愁 私法廷の殺人者
上島警部&推理作家・吉本紀子

作家 石川真介
出版日1999年11月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点
(2014/02/28 10:44登録)
無関係に見える三組の夫婦がグリーン車チケット付きの美濃路旅行の招待を受ける。謝礼は50万円。なぜか一部のカップルは道中、暴行を受け強制連行される。そうしながらも三組はホテルで一堂に会する。
序盤でホスト側が復讐の背景を開示する。中盤には事件が発生する。容疑者は招待客+α。彼らは貸切のワンフロアでCC状態となる。冒頭に登場した美人作家が名探偵として再登場し、事件はあっさり結着したかに見えたが・・・。

最後に開示される動機はいくらなんでも、という感じがする。解説でも指摘してある、計画性と衝動性との組み合わせについても、納得のいかないところ。
文章はちぐはぐだし、視点も乱れている。
とこきおろしたくなるが、なぜだか夢中になって読んだ。プロットが凝っていて、読ませるツボを心得ているのだろうか。
背景もいろいろ、犯人の計画もいろいろ、と楽しませる要素もたっぷりある。

作者を調べてみると、第二回の鮎川哲也賞の受賞者だった。予想していた、タイトルどおりのトラベルミステリー作家ではない。社会派寄りな旅情ミステリーだと思って読み始めただけに、ちょっと勘が狂ってしまった。
鮎川哲也賞ながらも、このサイトで評者がゼロというのは不思議です。
読むに値せずということを知ったうえでのことなのか、それともどうせトラベルミステリー作家だろうとの先入観があるからなのか。

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