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ミステリの祭典

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ふたご

作家 吉村達也
出版日1996年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2014/01/12 22:39登録)
再読です。
がん細胞は不老不死であり、アポトーシス遺伝子の不在がその原因と考えられていること。パーフェクト・ツインズが誕生する理由を学識的見地から、やや曲解しながら作者なりに咀嚼、アプローチし結論付けていることなど、なかなか興味深い学術的情報を披露している辺りは吉村氏の新境地だったのではないかと思う。
本作は、ミステリとホラー、そして遺伝子工学の新たな地平を切り開く新説とがミックスされた、全く新しいタイプの小説である。ただし、ストーリーにそれ程の新味はなく、従来のホラーの形を借りてはいるが、いわゆる「双子トリック」の亜流的な作品かと思っていた私は大きな間違いをおかしていたようだ。
しかし、万一この書評を読んで、古書店でたまたま見つけてこれから読もうとしている方や、図書館で借りて読む気になった奇特な方がおられるかもしれないので、内容に関しては一切触れない。
ストーリーとは関係ないので、ついでに書いておくと、人間の聴覚は実際の音声の約20倍の大きさで聞こえるらしい。試しに口をすぼめて息をゆっくり吐き出してみるといい、意外に大きい音がすると感じるはずである。といったようなことも書かれており、いろいろ勉強にもなる作品だ。

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