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ミステリの祭典

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戦士たちの挽歌

作家 フレデリック・フォーサイス
出版日2002年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 E-BANKER
(2014/01/12 23:22登録)
角川文庫で編まれたF.フォーサイスの作品集一作目。
すべて結末の意外性が存分に楽しめる三篇で構成。

①「戦士たちの挽歌」=ロンドンの街中で発生した撲殺事件。被疑者は無抵抗の被害者を二人がかりで殴り殺したのだが、被害者の身元がなかなか判明せず・・・。終盤、辣腕弁護士の手に掛かり、被疑者が無罪放免される展開の後に、意外な結末が用意されている。タイトルの意味はラストまで読み終えると納得。
②「競売者のゲーム」=本編の舞台は絵画を中心とするオークション会社。貧乏な役者が換金のために持ち込んだ古びた絵画が思わう波紋を呼び起こす・・・。序盤に嵌められたオークション会社社員が、嵌めた男に復讐を果たすというのが本筋なのだが、なかなか軽快なコン・ゲーム風に書かれていて面白い作品に仕上がっている。良作。
③「奇蹟の値段」=物語の舞台はイタリアの都市・シエナ。第二次世界大戦中の野戦病院で、多くの入院患者に対して奇跡を起こしてきたひとりの看護婦とドイツ軍医師。この二人にはどのような秘密があったのか? というプロットなのだが、ラストには思わぬ“引っ掛け(肩透かし?)”が待ち受ける。でも、ちょっと分かりにくい展開。

以上3編。
著名作「ジャッカルの日」以来、久々にフォーサイス作品を読了。しかも短篇。
感想としては、マズマズの面白さという感じかな。
最初に触れたとおり、三作とも終盤からラストに捻りが効いていて、さすがに達者だなという気にはさせられる。
ただ、迫力というか重厚感という観点から見ると、やはり長編でこそという作家なのかもしれない。

評価としては水準+αということに落ち着く。
(順位を付けるなら②>①>③ということになりそう)

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