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ミステリの祭典

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パッチワーク・ガール
ギル・ハミルトン捜査官

作家 ラリー・ニーヴン
出版日1981年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2014/02/12 18:39登録)
地球・月・小惑星帯の政府代表者が会議で集まる月面都市内の部屋で、代表の一人が展望窓の外からレーザー光線で狙撃される。国連警察のハミルトンが捜査に乗り出すが、現場は密室状況で、唯一の容疑者は彼の昔の恋人だった--------。

「リングワールド」などで知られる人類の未来史を描いた”ノウンスペース”シリーズの一編。本来このシリーズはハードSFですが、ギル・ハミルトン捜査官が登場する本書と中編集「不完全な死体」は、不可能犯罪などハウダニットを主軸としたSFミステリになっているようです。シリーズもの特有の名称が説明なしに出てくるので最初は戸惑いましたが、慣れれば問題ないです。
近未来SFのわりには、不可能トリックは古典的なものですが、月面という設定が小道具をより効果的なものにしているのが巧いです。また、ダイイングメッセージはアルファベットながら、日本人読者でもある程度見当がつけられる内容で、なかなかよく出来ていると思います。難点は、犯人を特定する手がかりが決定的なものではなく、フーダニットとしては不十分なところです。

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