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ミステリの祭典

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19ボックス 新みすてり創世記
木村彰一シリーズ

作家 清涼院流水
出版日1997年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2013/12/14 23:20登録)
再読です。
懲りずに流水。まさに分類不能の短編集、唯一本格っぽいのは第三話だけで、あとはなんだかよく分からない小説になっている。
第一話は、「不幸の手紙」ならぬ「不幸のMEMO」が高校のクラスの生徒や先生の間を行き来するという、サスペンスのようなホラーのような作品。
第二話は、XとYの電話でのやり取りの途中でいきなりZが登場して、話が混乱する妙な展開の何とも言いようのない作品。
第三話は若者である「木村彰一」が誕生日の朝起きたら、もう一人の「木村彰一」が隣で寝ていた。そして次の年の誕生日には同一人物が3人に増え、結局4人になってしまう中での「木村彰一」殺人事件を扱った、若干SFの要素を含んだミステリ。
第四話は、切腹することによって悟りを開こうとする「切腹探偵」ジョーカーと、彼を切腹の度に手術で救う天才外科医ドクターの物語。
作者曰く、それぞれの短編が少なからずリンクして、読み順を変えるごとに違った感触を味わえるとのことだが、正直あてにはならない。確かに各短編が複雑に絡み合ってはいるが、どこからどう読んでもあまり変わらない気がする。
氏の意気込みは理解できるが、気合が空回りしているのではないかと思えてならない。もう少しじっくり読み込めば、それなりの味が出てくるかもしれないが、それ程の作品ではないだろう、残念ながら。

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