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ミステリの祭典

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戯作・誕生殺人事件
スーパー&ポテト・シリーズ

作家 辻真先
出版日2013年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 虫暮部
(2025/07/11 14:51登録)
 創元推理文庫版の表紙、前巻でツッコまれてタチキリの位置を改めたんじゃない?

 ネタバレあり。
 まず現実の事件について。出産話と平行するせいで進行が遅く感じられた。事件の渦中にいないとスーパーは魅力半減だなぁ。
 入り組んでいる割に平凡な動機、だけど幾らの為なら殺すかは人それぞれだしまぁいい。

 問題は作中作。これ、【前】・【中】だけで充分面白いミステリになっていて(江戸時代ならではのホワイ!)【後】は蛇足だよね。【後】の存在意義は、順番を間違えて読んだ時に騙しの一部品として機能する、と言うことだけだ。
 作中の記述・説明が少々曖昧なんだけど、作中の作者がその意図を面白いと思うのは不自然だと思う。だからこそ入選に至らなかった、ってことなのかも知れないが、“作中の作者が新人賞の為に書いた作品” ではなく、あくまで “辻真先が我々読者を引っ掛ける為に、作中作として書いた作品” にしかなっていないのでは。
 我々読者の視点で見ると、せっかくの面白い短編を、トリックのネタにする為に面白さを判りにくくしているので、勿体無い。

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