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ミステリの祭典

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最終弁護

作家 スコット・プラット
出版日2009年03月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 E-BANKER
(2013/11/26 21:59登録)
2008年発表。主に法廷を舞台としたリーガル・サスペンス。
作者は実際に弁護士として七年間活動した後、作家生活に入った“本職”で、本作が処女作品となる。

~メッタ刺しにされ、局部を切り取られた男性の死体が発見される。逮捕された若い女性エンジェルは、腕利き弁護士のディラードに弁護を依頼してきた。エンジェルに会ったディラードは、無垢で美しいこの女性が無実であることを確信する。はたせるかな警察の捜査は杜撰で物的証拠も乏しい。だが捜査陣や検察、判事、そしてエンジェルの周囲にも怪しげな人物が・・・。リーガル・スリラーの新星登場のデビュー作!~

この手のリーガル・サスペンス系作品としては、ありがちでパンチ不足。
そんな読後感。
紹介文を読んでると、結構複雑なプロットなのかなと思わされるが、実際はそれほどのことはない。
本筋の猟奇殺人のほか、主人公であるディラードの実姉が起こす事件や別の殺人などがサイドストーリー的に絡み合うのだが、それがプロットに深みを与えているかというと・・・「そうでもない」
この辺がうまく捌けていれば、もう少し面白い展開になっていたのかもしれない。

そして、法廷での弁護士と判事、裁判官のやり取りも今ひとつ緊張感に欠けているような・・・
弁護士として実際に法廷に立っていた作者なのだから、ここで“点数”を稼げないのは痛い。
サスペンスとしての盛り上げ方にも、もうひと工夫必要だろう。

というわけで、本作をひとことで表せば“中途半端な作品”という評価になってしまう。
リーガル・サスペンスは個人的に好きなジャンルなのだが、これでは期待はずれと言うしかない。
評点としてはやや甘いかもしれないが・・・
(聖職者ほど案外○○いものかも)

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