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ミステリの祭典

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極楽の鬼 マイ・ミステリ採点表
石川喬司

作家 事典・ガイド
出版日1966年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2013/11/24 18:52登録)
評論家・石川喬司氏による'60年代の海外ミステリ新刊書評集。『ハヤカワ・ミステリ・マガジン』に連載された時のタイトルは「極楽の鬼」(1964〜65年)「地獄の仏」(66〜69年)と変遷しているが、構成に大きな違いはなく、エッセイ風の軽妙な語り口で、毎月新刊数冊を怒涛のように紹介しています。

巻末索引の作品一覧でざっと数えてみると500冊以上の作品が取り上げられていて、60年代の翻訳もののジャンル傾向が俯瞰できる。本格モノは少なく、主流はスパイ冒険小説やハードボイルド、それもB級、軽めのものが目立つ。あとは、警察小説、仏産サスペンス小説も多い印象。当時は海外ミステリの出版社も限られており、ほとんどが早川書房か東京創元社、特に当時のポケミスの新刊は全て取り上げられている感じです。当然ながら大半は絶版となっているが、他では知ることのできない作品の寸評が読めるのは個人的に嬉しい。
ロバート・L・フィッシュ「亡命者」、ユベール・モンテイエ「帰らざる肉体」、ヘンリイ・セシル「あの手この手」、C・P・スノウ「ヨット船上の殺人」、ハワード・ブラウン「夜に消える」、デビッド・マクダニエル「人類抹殺計画」などがちょっと気になる。

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