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ミステリの祭典

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代官山コールドケース
「地層捜査」シリーズ

作家 佐々木譲
出版日2013年08月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 HORNET
(2013/11/11 20:13登録)
 17年前に起きた代官山アパート女性殺害事件。当時被害者の恋人であった男が水死体で発見され、被疑者死亡で解決されたことになっていた。しかし、時を経て起きた強姦殺人で、この代官山事件の被害者の部屋に残っていたDNAと同じDNAが検出された。17年前の捜査は誤りだったのか?解決したとして処理されているこの事件を公的に再捜査することはできず、極秘指令として捜査を命ぜられる水戸部。当時の関係者に聞き込みを進めていくうちに、被害者の新たな人間関係が見えてくる―。
 関係者を順に聞き込み、そこから探り出した人間関係をしらみつぶしにあたっていく。新たに明らかになる事実と、再検証する証拠を照らし合わせて組み立てられていく推理。主人公水戸部と組むことになった女性捜査官朝香、親友の科捜研中島らの有能ぶりにも快哉。派手さはないが、地に足の着いた推理が進んでいく様子は、十分に読みごたえがあり、非常に佐々木譲らしい作品である。

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