home

ミステリの祭典

login
追憶の夜想曲
御子柴礼司シリーズ

作家 中山七里
出版日2013年11月
平均点7.57点
書評数21人

No.1 7点 kanamori
(2014/03/28 20:30登録)
前の事件で受けた傷が癒え退院した御子柴は、夫殺しの容疑で懲役16年の判決を受けた主婦の控訴審弁護を強引に買って出る。しかし、法廷で彼の前に立ちはだかったのは、あの天才ピアニスト岬洋介の父である次席検事・岬恭平だった-------。

中学生の時に幼女を惨殺し医療少年院に収監されていた過去を隠し、いまは高額の報酬をとる悪辣弁護士となった御子柴礼二を主人公とする法廷ミステリ。「贖罪の奏鳴曲」の続編になる。
事件の隠された構図を暴くといった謎解きの部分は、前作と比べると割とありがちな真相で、おおよそ想像の範囲内だったが、法廷での対決場面はスリリングであり、逆転の決め手も意表を突き面白かった。
しかし本書のキモは別のところにあり、御子柴が何故に前任の弁護士を脅迫までして平凡な主婦の弁護を引き受けることに拘ったのか?という一点にあると思う。”贖罪”というテーマは前作に増して重く、読む者の胸に強烈に訴えるものがある。

21中の書評を表示しています 21 - 21