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ミステリの祭典

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エル 全日本じゃんけんトーナメント
木村彰一シリーズ

作家 清涼院流水
出版日1998年02月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 風桜青紫
(2015/12/20 05:22登録)
薄いわりにはとんでもなく大袈裟なストーリー。結構面白い。『コズミック』なんかよりずっと薄い分、単なるおばかな話と肩の力を抜いて読める。ところでクイズ大会の参加者たちが『コズミック』で死んだ人ばかりなのだが、これは前日譚か何かなのですか。

No.1 6点 メルカトル
(2013/10/18 22:30登録)
再読です。
今年も極楽ドームで第13回全日本じゃんけんトーナメント、決勝ラウンドが行われようとしていた。
応募総数のべ3000万人の中から、予選を勝ち抜いた1024名が集結し、今まさに火ぶたが切って落とされるところである。
この中には優勝候補最有力の読心術者ミスター・トジック、過去のデータを解析し相手の出す手を予測するTVでもお馴染みの十津川教授、十代にしてゲームのシナリオライター、若き天才天草翔、そして主人公の木村彰一が一目惚れした名誉あるゼッケン番号1番の少女、京極のぞみなどがいた。
一方、その裏では大会主催者のエルが不穏な動きで暗躍し、大会を思うがままに操ろうとしていた・・・
彰一の初戦の相手はゼッケン番号777番の水野守。彼は実はのちにJDCの探偵となるピラミッド水野である。
更に過去に、2大会連続で777番を引き当てたこれもJDC第一班の名探偵、龍宮城之介も参加していたというどうでもいいような逸話も残っているらしい。
ひたすらじゃんけん勝負を繰り広げていくという、一見単純なストーリーだが、プロットの妙で読者を飽きさせない工夫がなされていて、最後まで物語に入り込めるようにうまく作られている。
また、じゃんけんだけでなく、主人公を中心にある種の人生ドラマを描いており、その意味でも楽しめるエンターテインメント作品に仕上がっている。
本当は7点付けたかったが、ミステリではないしね、これくらいが妥当かもしれない。
だが、一人また一人とじゃんけんに敗れ去っていく様は、まさにサバイバルゲームの見本のようでもある。

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