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ミステリの祭典

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海のイカロス

作家 大門剛明
出版日2013年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2018/05/24 23:27登録)
これまで読んだ初期3冊では法律的な問題を真面目に扱っていた作者ですが、2013年発表の本作では、東日本大震災以来の脱原子力発電の1つ潮流発電の開発を背景にしています。クリーンエネルギーを謳いながらも実際には営利しか頭にない企業トップの描き方は、社会派系の作家らしいところと言えるでしょうが、ちょっと画一的すぎるようにも思えます。
海の「イカロス」とは潮流発電用の巨大なプロペラのことですが、その本来の意味であるギリシャ神話にちなんで「イカロス計画」と主役の准教授が名付けた殺人計画。プロローグの後4章のうち第1章で事故に見せかけた殺人は成功し、後はその殺人トリックを解明し証拠立てようとする弁護士と准教授の2人の視点から描かれていきます。最後にはこの作者らしい意外性を用意していますが、本当にうまくいくのかなあという気がしますし、その暴き方があまり効果的ではありません。

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