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ミステリの祭典

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刑事たちの三日間

作家 アレックス・グレシアン
出版日2013年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 kanamori
(2013/10/17 21:38登録)
駅構内でトランク詰めにされた刑事の死体が発見される。地方警察から、創設されたばかりのロンドン警視庁・殺人捜査課に赴任した新米警部補のウォルター・ディは、警視総監からこの同僚刑事惨殺事件の捜査を命じられるが--------。

前年に起きた切り裂きジャック事件の恐怖が残るヴィクトリア朝ロンドンを舞台にした警察小説。
新参者の警部補、若手巡査、法医学検査官という三人の主人公の視点だけでなく、異常殺人者の内面描写を含めた多くの視点を採用しているうえに、複数の事件が絡むモジュラー形式という錯綜した物語になっていますが、語り口がライトなこともあって意外と読み易かった。
猟奇的連続殺人や幼児連れ去り虐待など事件の様相は陰惨ながら、登場人物が脇役にいたるまで活き活きとしていて魅力的、ヒューマニズムに溢れた内容になっている。シリーズ第1作ということもあって前半の展開にモタモタしたところもあるが、最後はうまくまとめていると思います。

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