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ミステリの祭典

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錯誤のブレーキ
和南城夫妻シリーズ

作家 中町信
出版日2000年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2017/06/17 22:33登録)
(ネタバレなしです) 2000年発表の和南城夫妻シリーズ第4作の本格派推理小説です。この後の中町信(1935-2009)は最晩年の2008年に中編をリメイクして長編化した「三幕の殺意」を発表したのが最後なので新作として書かれたのは本書が最終作だったわけです。交通事故(1名死亡)で幕を開け、その事故で生き残った者が殺されます。動機を探して過去の病死(心臓麻痺)や自殺事件までもが調査され、密室、アリバイ調べ、ダイイングメッセージと謎解きは多岐に渡ります。人物描写に精彩がない中で自信満々の割に推理が暴走気味、でもたまに有能な時もある二本柳警部が異彩を放ってます。地味で暗めの文章のため盛り上がりを欠くきらいがあるものの、安定したレベルの本格派を40作以上も提供してくれた作者には大いに感謝です。

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