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ミステリの祭典

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妄想名探偵

作家 都筑道夫
出版日1979年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2023/09/29 00:15登録)
タイトルの探偵役は、新宿のバー「まえだ」の常連、アルジェの忠太郎、略してアル忠さん、ミステリ作家の津藤幹彦の一人称で語られる7編の連作短編集です。「妄想」なのかどうかわかりませんが、アル忠さんは現在無職ながら、作品ごとに元は刑事だったとか新劇俳優だったとかポン引きだったとか言う、居所も定かでない正体不明人物です。最初の『「殺人事件」殺人事件』から最後の『「殺人事件」盗難事件』まで、最終作を除いてほぼ「×…×」殺人事件というパターンのタイトルになっています。
第1作はさすがに無理じゃないかと思えますし、第2作もまとめ方がすっきりしませんが、基本的には都筑道夫らしいロジック中心の作品集です。それだけに異色の『「ハードボイルド」殺人事件』が笑えました。最終作はアル忠さんの正体を明かしてくれるのかと思っていたら、結局そうはならず、という肩すかしを狙ったものでした。

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