home

ミステリの祭典

login
龍神町龍神十三番地

作家 船戸与一
出版日2002年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2013/08/26 10:28登録)
因習が根付く僻地・龍ノ島(五島列島の架空の島)が舞台。
無抵抗な強姦殺人犯を射殺して刑に服し、出所してきた元刑事・梅沢信介が、高校時代の同級生である龍神町の町長から島で起きた変死に関する調査の依頼を受けて、ひとり島へやってくる。その島にはワルたちがのさばっていた。
梅沢はその町を浄化してゆく、となれば、まるで「荒野の用心棒」か「赤い収穫」の焼き直しですが、そうとはならず、奇妙な人物が続々と登場し、殺人事件がつぎつぎに起こり、不可解で、人間関係のどろどろした推理ドラマへと発展していきます。
予想以上のミステリー性が感じられ、楽しめました。

少し余談です。
本作の映像化作品(テレビ局の50周年記念)の再放送をテレビで先に観ていました。
ドラマは人間関係や背景の描写の省略が多く、酷い出来でした。映画でみられるような背景描写の省略とはちがい、あまりにも唐突だったり、尻切れトンボだったりと中途半端このうえなしです。
それに、10年前とはいえ、椎名桔平にあんな異様で無様な役を演じさせるのもどうかな、と。まあ、いまでも、「謎解きはディナー・・・」の風祭警部みたいな変な役を演じてますけどね(笑)。二枚目になっても役を選ばない立派な役者ということなのでしょうか。

とにかく、このドラマにくらべ原作はまともでした。

1レコード表示中です 書評