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ミステリの祭典

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ル・ジタン

作家 斎藤純
出版日1994年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 kanamori
(2014/05/16 20:47登録)
日本推理作家協会賞(短編賞)受賞の表題作を含む5編からなる短編集。
音楽を基本的モチーフにして、バイク、ギター、テニス、絵画などの作者の趣味的な小道具を物語に取り入れたものが多いが、ミステリ的には薄味で、なかには普通小説的な作品もありました。

表題作「ル・ジタン」は、CDジャケットの撮影のためパリを訪れた主人公のカメラマンと女性歌手が、盲目のジプシーが持つギターに絡むトラブルに巻き込まれる話。音楽カフェ「ル・ジタン」を中心にしたパリの雰囲気や起伏に富むプロットが読ませる。ハードボイルド風の語りが、ラストの余韻をより引き立てていると感じた。
ただ、他の作品にそれほど印象に残るものが見当たらなかったのが残念。強いて挙げれば準ベストは、ナチス隠匿絵画を巡る謀略サスペンスの「赤いユトリロ」かな。
何年か前に「銀輪の覇者」という冒険小説が”このミス”にもランクインしていたと思うが、このところ作者の名前を見かけない。どうしているのだろうか?

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