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ミステリの祭典

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時の審廷
森江春策シリーズ

作家 芦辺拓
出版日2013年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2019/09/18 23:15登録)
戦前のハルビンから現代の日本へと、実際の有名犯罪事件をモデルに壮大なスケールで描く「権力者」の悪徳の限り…
2010年4月に序篇が雑誌に掲載されたことが、前書きに記されていますが、巻末の「+書き下ろし」という記載からすると、序篇執筆の3年後にそれ以降は書かれたということでしょうか。前書きではその間に「…東日本大震災が発生、物語の根底をくつがえす結果となりました」とも書かれていて、意味はわかりますが、フィクションにとっては現実との相違はどうでもいいことでしょう。昭和23年の「大都銀行事件」なんてモデルは明らかですが、だからといって現実の事件の真相も本作の結末に近いものだというわけではありません。
ハルビンで「警尉補」として登場し、戦後の東京では警部になっている人は、日本語での名前は明確にされませんが、ロシア語発音の呼びかけ等から、あのアリバイ崩し名手であることは明らか。

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