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ミステリの祭典

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クイーンズ・コレクション1
クイーンズ・コレクション

作家 アンソロジー(海外編集者)
出版日1983年05月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 Tetchy
(2013/08/05 22:51登録)
本書は80年代のEQMM誌に発表された短編を集めたアンソロジーの第1弾。その顔触れはまさに錚々たるメンバーだ。
エラリイ・クイーンが選出したEQMM誌収録の短編集だからといって必ずしもトリックやロジックが横溢した短編とは限らない。いやむしろそのような本格推理物を期待しない方がいいだろう。
ジャンルはクライムノヴェルに誘拐物、サスペンスにホラーにスパイ小説、サイコ物に奇妙な味と実に多岐に渡る。

私のお気に入りの作品はジャック・P・ネルソンの「イタチ」、L・E・ビーニイの「村の物語」、ダグラス・シーの「おせっかい」、ジョン・L・ブリーンの「白い出戻り女の会」、ジョン・ボールの「閉じた環」、ロバート・L・フィッシュの「秘密のカバン」が挙げられよう。これらはアイデアが実に秀逸で短編を読む楽しみに満ちた作品だ。
しかし個人的ベストを挙げるとすれば最後に収録されたウィリアム・バンキアの「危険の報酬」となる。久々に心地よい余韻に浸った味わい深い作品を読んだ。そしてこのような作品をクイーンが選んだことに彼の懐の深さを感じる。
本書は逆にそういう意味ではクイーンが選んだということである種の先入観を抱かせて、損をしているように思える。

しかしこれは思わぬ収穫だった。続く2巻目も愉しみ♪

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