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ミステリの祭典

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たんぽぽ娘
奇想コレクション

作家 ロバート・F・ヤング
出版日2013年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2013/07/14 11:36登録)
河出書房新社の”奇想コレクション”の最終巻。ずいぶん前から予告されていながら出版が止まっていましたが、ビブリア古書堂ブームの後押しもあってか、本書をもって10年がかりでようやくシリーズ全20巻が完結。

”おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた。”----- という名フレーズですっかり有名になったロマンチック時空SF「たんぽぽ娘」の再読(前回は井上一夫、今回は伊藤典夫訳)が目当てでしたが、”時の流れ”という同じ素材を使い、抒情性豊かで切ない余韻を残す遺作「荒寥の地より」も負けず劣らず素晴らしい作品です。
シリーズの”奇想”というコンセプトという点では「河を下る旅」や「主従問題」が相応していると思いますが、ヤングの持ち味はやはり甘いロマンチックなラブ・ストーリーで、冒険ファンタジーでありながらボーイ・ミーツ・ガールの物語に帰結する「ジャンヌの弓」なども印象に残りました。

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